PHPは、TwitterやWordPressなど、有名なWebサービス・Webアプリの開発に使用されている需要が高いプログラミング言語です。
PHPを独学で習得したいけれど、具体的な勉強の手順がわからない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、PHPを独学で習得するための効果的な勉強法をご紹介します。
PHP初心者におすすめのサイトや本、スマートフォンアプリのほか、効果的な学習ステップも紹介しますので、読めばすぐに勉強を開始できるかと思います。是非とも参考にしてください。
PHPを独学で習得するための勉強法
プログラミング未経験であっても、PHPを独学で習得することは可能です。
しかし挫折しないためには、適切な方法で勉強を進める必要があります。
ここでは、初心者が挫折することなくPHPを習得するための効果的な勉強法をご紹介していきます。
学習サイトを利用する
プログラミング未経験でPHPを勉強する方には、学習サイトの利用がおすすめです。
なかには動画やゲームを使った学習サイトもあり、気楽にPHPの学習をスタートできます。
学習サイトによっては、実際にコードを書きながら学習を進められるので基礎文法を覚えられます。
PHPの勉強におすすめの学習サイトは、「プロゲート」「ドットインストール」です。
本で知識を補強する
PHPを学習する際、学習サイトと本を併用するのが効果的です。学習サイトでコードを書く練習をしたら、本で知識を補強しましょう。
PHP初心者におすすめの学習本は数多くの書籍が出回っていますが、こちらおすすめの一冊です。
PHPでWebページ/アプリケーションを開発する際に必要な基礎的な知識、PHPの基本構文から、クラス、データベース連携、セキュリティまで、詳細かつ丁寧に解説します。
解説→例題→練習問題(理解度チェック)という3つのステップで、
PHPによるWebアプリ開発の基礎・基本テクニックをしっかり習得できます。
実際にサンプルコードを入力し、動作を確かめながら学習することで、いっそう理解が深まります。
スマートフォンのアプリで気楽に勉強する
プログラミング初心者は、スマートフォンのアプリで気楽にPHPを勉強するのもおすすめです。
例えば、Progate(プロゲート)のアプリ版では、実践編のコード入力がスマートフォン仕様にカスタマイズされていて、ゲーム感覚で学習できます。
ほかにも、クイズ形式や穴埋めでPHPを勉強できるものなど、さまざまなアプリがあります。
サンプルプログラムを模写する
本や学習サイトでPHPの基礎知識や基本的なコーディングを学習したら、PHPのサンプルプログラムを模写してスキルを定着させましょう。
プログラミング学習で模写を行うと、主に下記の3つの効果を得られます。
- 言語ごとのコード構成を理解できます。
- 基礎文法を理解できます。
- 自分の書いたプログラムを実行することで自信がつきます。
模写を繰り返し行うことで、基礎文法や構文が身についてきます。
また、自分で書いたプログラムが動けば学習の自信につながります。
さらに、今後自分でプログラムを作る際に、模写で覚えた構文を活用できる点もメリットです。
PHPの具体的な学習ステップ
続いて、PHPを習得するための手順を12のステップで解説していきます。
1.HTML・CSS・JavaScriptを学習しましょう
PHPの勉強をスムーズに進めるために、まずはHTML・CSS・JavaScriptの基礎知識を学習しましょう。
というのもWebサイトを作成するときは、骨組みとなるHTML、装飾を施すCSS、そしてHTMLに動きをつけるためのJavaScriptを使うからです。
PHPもJavaScriptと同じくWebサイトに動きをつけるプログラミング言語ですが、書かれたコードの処理が行われる場所が異なります。
JavaScriptがユーザー側のブラウザであるのに対し、PHPはサーバーサイドです。
2.PHPの基礎文法を学習しましょう
HTML・CSS・JavaScriptの基礎知識を身につけたら、次はPHPの基礎文法を勉強します。
学習サイト・本を使って、下記のような基礎文法を一通り覚えましょう。
- 文末にセミコロン「;」を使って文を区切る
- 文字列などを出力するときは「echo」と書く
- 出力したい文字列はシングルクォーテーション「'」かダブルクォーテーション「"」で囲む
3.PHPの環境構築を行いましょう
PHPの基礎知識・文法を把握したら、いよいよ「環境構築」を行いましょう。
PHPの環境は「Windows」や「Mac」、「Linux」などさまざまなOS上への構築が可能です。
PHPをインストールして環境構築を行う際は、通常Webサーバー「Apache」も共にインストールします。
PHPとApacheをともにインストールする方法は、下記の2つです。
- PHPとApacheをそれぞれインストールする
- XAMPPというアプリケーションを使ってインストールする
初心者におすすめなのは、2つ目のXAMPPを使った方法です。
インストールなどの環境構築は初心者が最初につまずくポイントといわれるほどで、少々ややこしい部分があります。
初めてプログラミングの環境構築を行う方は、Webサイトなどの説明を読みながら一つずつ手順を踏んでください。
4.「変数」を学習しましょう
環境構築を終えたら、次は「変数」を学習しましょう。
プログラミングでは、変数に値や文字列を代入して繰り返し使います。
変数は、一度数値や文字列を保持すると他の値を代入し直さない限りは、プログラムを起動中ずっと保持し続けることが可能です。
例えばログイン後ユーザーの登録している名前を表示させたり、その日の特売商品などを表示させたりする処理をPHPで行うとします。
名前や商品を表示させるのに、毎回Webページのコードを書き換えないといけないのは大変です。
そこでPHPによるプログラミングでは、毎回変わる名前や商品などの「値」を変数とし、簡単に書き換えられるようにするのです。
5.条件分岐「if文」を学習しましょう
「条件分岐」とは、条件が満たされているかどうかによって次に実行する処理を変化させることです。
PHPに限らずプログラミング言語では、条件によって処理を分岐させるための「if文」があります。
PHPのプログラムにおけるif文は、下記のとおりです。
if ( 条件 ) {
// 条件が一致したときに実行する処理
}
条件をカッコ「( )」の中に書き、処理を中かっこ「{ }」に書くことで、条件が一致したとき時だけ処理を実行できます。
if文はプログラミングの基本的な処理なので、使い方をしっかりと理解するようにしましょう。
6.ループ処理を学習しましょう
条件分岐を学んだあとには「ループ処理(繰り返し処理)」を学習しましょう。
例えば、ある文字を100回表示するには、100回書く必要があります。
もし、これが10万回だったら10万回書くことになりますが、それはあまり効率的とはいえません。
そんな問題を解決するのが、ループ処理になります。
プログラミングにおいて、ループ処理は下記のようなときに使われます。
- 同じ処理を繰り返し実行したい
- 1~100の数字にそれぞれ2を掛けてその積を出力させたい
- 箇条書きになっている内容全てを表にして出力させたい
ループ処理を活用すれば、よりシンプルなコードで素早くプログラムを実行できます。
PHPでは「for文」を使って、ループ処理を行います。
for文は以下のように記述します。
for (初期値; 条件式; 増減式){
処理
}
7.関数をマスターしましょう
次に学習するのは「関数」です。プログラミングにおける関数とは、数学の関数のように何度も使える計算式(処理の型)のことです。
プログラミングでは自由に関数を定義し、作った関数を何度も呼び出して使うことができます。
PHPの関数は大きく分けて2つあります。
- 組み込み関数:PHPで提供している関数(配列を結合するarray_merge関数や文字列検索を行うstrposなど)
- ユーザー定義関数:ユーザーが独自に処理を記述した関数
PHPの関数までを理解すれば、とても便利です。
8.クラスを学習する
関数までを理解したら、続いてクラスについて学習します。クラスについて理解すれば中規模・大規模なWebサイトを作ることも可能です。
「class」コマンドの後にプロパティ(変数や定数)やメソッド(関数)を記述してデータの種類と動きを決めます。
PHPにおけるクラスの書き方は下記のとおりです。
class クラス名
//プロパティの宣言
public $変数名 = 値;
//メソッドの宣言
public function メソッド名(){
メソッド内処理...
<br>}
クラス名にはあらゆる名前を指定することが可能です。
クラス名の後には波括弧のペア「{}」を指定して、その中にクラスの処理を記述していきます。
なお、PHPなどのオブジェクト指向のプログラミング言語では、クラスを使用するためにオブジェクトを生成する必要があるので覚えておきましょう。
$クラスオブジェクト = new クラス名();
9.ファイル処理を学びましょう
続いて、「ファイル処理」について学びましょう。
ファイル処理とは、ファイルの読み込み、書き込みといった操作をプログラム上に書くことです。
PHPでファイルの読み込みや書き込みを行う手順は下記のとおりです。
- ファイルを開く(fopen)
- ファイルから「読み込む(fgets)」、または「書き込む(fwrite)-」
- ファイルを閉じる(fclose)
ファイルの読み込みや書き込みを行うには「引数」や「fopen関数」を覚える必要があります。
10. 「HTTPリクエスト」について学びましょう
PHPの基礎文法から、処理について一通り理解したら、次は「HTTPリクエスト」に関する知識を身につけましょう。
HTTPリクエストとは、取得したいWebサイトの情報をwebサーバーに要求することです。
PHPは、HTTPリクエストにおいて、Webサイトで入力されたデータをサーバに送信する際に使われます。
なお、PHPを使ったデータの送信方法には、「POST」送信と「GET」送信の2種類があります。
11.「データベース」について学びましょう
次に、ECサイトなどのWebサイトで顧客データや商品データを格納するのに使われる「データベース」の仕組みや使い方について理解しましょう。
開発中はプログラムを書くだけでなく、データベースを操作してデータを取得したり、変更したりすることがあります。
PHPは、このデータベースの処理を実行する際に使われるのです。
データベースの種類にはさまざまな種類がありますが、中でも「MySQL」はPHPと相性が良いといわれ、組み合わせて開発されます。
ちなみにデータベースにはほかにも、「PostgreSQL」、「Oracle」、「SQLite」などがあります。
12.「フレームワーク」を使いこなせるようにしましょう
最後に、PHPの「フレームワーク」について学習しましょう。
フレームワークとは、Webサイトを開発する際にデータベース処理を自動化して開発を効率化するソフトウェアのことです。
このフレームワークもプログラミング言語によって作られます。
PHPで作られたフレームワークにはいくつか種類がありますが、中でも「Laravel(ララベル)」は、「Web職人のためのフレームワーク」と呼ばれ人気です。今後もLaravelのトレンドは続くと思われ、新しい開発に使われるでしょう。
また、PHPで作られた「CakePHP(ケイクピーエイチピー)」も日本でシェアの高いフレームワークです。
CakePHPを使えば、少ないコード量でWebサイトやアプリケーションをスムーズに作れます。
まとめ
ほかのプログラミング言語と比べると、習得がスムーズな点もPHPのメリットです。
PHPはメジャーなプログラミング言語であり、インターネットで多くのサンプルコードが公開されています。
テラテイルなどのQ&AサイトにもPHPに関する質問が多く寄せられているため、回答を参照することでエラーや問題を解決できる場合があります。
TechAcademy [テックアカデミー] といったスクールで学習すると更に知識向上が加速することでしょう。
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また、PHPは書籍の種類も豊富です。自分に合う1冊を選んで知識を補強すれば、より学習がスムーズになるでしょう。
こちらの記事も併せて読んでいただき、プログラミングを始めてみましょう。